原点回帰

第一の目的地は下呂温泉にある蕎麦の名店、仲佐です。
ここは今をさかのぼること十数年前、高山への旅行中に何気なく立ち寄り、蕎麦の概念を完全に書き換えられた原点ともいうべきお店なのです。それまで、蕎麦は好きだったものの、お店のお蕎麦といえば家族亭や阪急蕎麦ぐらいの考えだったのが、わざわざ郊外までお店を探して食べにいくものになったわけです(ちなみに今も家族亭のお蕎麦は好きですし、阪急蕎麦のだしの香りには抗えません[阪急ユーザーには自明])。

その原点回帰のお店での注文は、当然もりな訳ですが、今回はこれに一品と冷やかけ蕎麦のついた蕎麦三昧なるものを注文。
まず運ばれる一品はナスとキノコのあえたん。その後、もり蕎麦, 冷やかけ蕎麦と続きます。
お蕎麦ですが、他店に比べると口に入れた瞬間の蕎麦の香りはいささか控えめな印象(夏場ということも大いに影響していると思いますが)。そのまま飲んでしまうのではなく、かみ続けると内部から蕎麦の味香りが強烈に広がってきます。なるほどこれは噛んで味わう蕎麦なのか。いろいろなお店にお伺いすることによって、あのはじめての時の衝撃が理解できた気がします。
それにしてもおいしい蕎麦です。もり蕎麦のみならず、冷やかけ蕎麦が絶妙。わずかに柑橘が香るだしと蕎麦の力強さが小気味よくあいます。当然のようにもりのお変わりを頂いてごちそうさまでした。

仲佐
岐阜県下呂市森918-47
tel 0576-25-2261